Insta360アプリの音楽は著作権侵害になる?商用利用と個人利用の境界線
Insta360アプリに搭載されている音楽機能は、使用目的によって著作権上の扱いが大きく変わります。結論から申し上げると、個人的な楽しみの範囲内であれば問題ありませんが、YouTubeでの収益化や企業のプロモーション動画といった商用利用では著作権侵害のリスクが生じます。
この境界線を正しく理解しておかないと、せっかく作った動画が削除されたり、最悪の場合はアカウント停止といった事態にもなりかねません。ここでは、公式の利用規約に基づいた正確な情報と、プラットフォームごとの細かいルールの違いについて詳しく解説していきます。
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ちょっとお金がかかってしまいますがバイクの方なら、こういうレコーダーを買って後で編集時に合成してしまうというのもアリです。音楽を付けるというより実際に走行時のバイク音を録音する、といったやり方でしょうか。
- 【結論】アプリ内音源は「個人利用」ならOKだがYouTube収益化はNG
- 著作権トラブルを完全回避！Insta360編集での安全な音楽の入れ方
- PC版「Insta360 Studio」で編集する場合の音楽と著作権の注意点
- 【Q&A】Insta360の音楽と著作権に関するよくある質問
今日はこういう感じで少しボリュームが多いので、Insta360の動画で音楽を付ける方は一読していただければと思います。
【結論】アプリ内音源は「個人利用」ならOKだがYouTube収益化はNG
Insta360の公式見解によれば、アプリ内で提供されている音楽素材は「個人的な用途(Personal Use)」に限って使用が許可されています。具体的には、家族や友人と共有する目的でSNSに投稿する、自分の思い出として保存するといった非営利の利用であれば問題ありません。
しかし、YouTubeのパートナープログラムに参加して広告収益を得ている場合や、企業から依頼を受けたPR動画、アフィリエイトリンクを含むレビュー動画などは「商用利用(Commercial Use)」に該当するため、アプリ内音源の使用は規約違反となります。
Insta360の動画だけでなく使う音楽についても、しっかり知っておく必要があります。下記のような本があるので、こういうもので音楽を自分で商用利用するとはどういうことか、しっかり調べてから使ってください。
この区別のポイントは「金銭的利益の有無」だけではありません。たとえ直接的な収益が発生していなくても、企業のブランディング目的で使用する場合や、将来的な収益化を前提としたコンテンツ制作も商用利用と見なされる可能性があります。著作権法における「私的使用のための複製」の範囲は非常に限定的で、不特定多数が閲覧できるインターネット上での公開は、たとえ無料であっても私的使用の範囲を超えると解釈されるケースが多いのです。
また、音楽の著作権には「著作権(楽曲そのものの権利)」と「著作隣接権(録音・演奏の権利)」という二つの権利が存在します。Insta360アプリ内の楽曲は、作曲家や作詞家が持つ著作権だけでなく、レコード会社やアーティストが持つ著作隣接権もクリアしなければ使用できません。個人利用の範囲内であれば、Insta360側がこれらの権利処理を行っているため問題ありませんが、商用利用となると話は別です。権利者から直接許諾を得るか、商用ライセンスを別途購入する必要があります。
商用利用(PR動画・収益化チャンネル)でアプリ音源を使うと起きるリスク
YouTubeで収益化しているチャンネルにInsta360アプリの音楽を使った動画をアップロードすると、Content ID(コンテンツID)と呼ばれる自動検出システムが作動します。このシステムは、アップロードされた動画の音声を解析し、著作権で保護されている楽曲が使われていないかを瞬時にチェックします。検出されると「著作権の申し立て」が行われ、動画の収益化が無効になるだけでなく、広告収入が権利者に移転してしまいます。
さらに深刻なケースでは、権利者が「動画の削除」を要求することもあります。YouTubeでは著作権侵害による警告が3回累積すると、チャンネル自体が永久停止される「スリーストライクポリシー」が適用されます。これまで積み上げてきた登録者数や過去の動画コンテンツがすべて失われるリスクを考えると、「知らなかった」では済まされない事態です。
企業案件やスポンサー付き動画の場合、さらに複雑な問題が生じます。クライアントから制作費を受け取っている以上、納品物に著作権上の瑕疵(かし)があれば、契約違反として損害賠償を請求される可能性もあります。プロのクリエイターとして活動するなら、音楽の権利処理は必須の知識です。「アプリに入っている音楽だから大丈夫だろう」という安易な判断は、自分のキャリアを危険にさらす行為だと認識してください。
InstagramやTikTokなどSNSプラットフォームごとの音楽ルールの違い
SNSプラットフォームによって音楽の著作権ルールは大きく異なります。YouTubeが厳格なContent IDシステムで管理しているのに対し、InstagramやTikTokは各プラットフォームが音楽業界と包括的なライセンス契約を結んでいるため、比較的自由に音楽を使える環境が整っています。しかし、この「自由さ」には条件があり、プラットフォームが提供する公式の音楽機能を使った場合に限られます。
Instagramミュージック機能を使えば著作権問題は解決できる
最も安全で確実な方法は、Insta360アプリでは音楽を入れずに動画を書き出し、Instagram側で音楽を追加する手順です。具体的には、Insta360アプリで編集を完了させる際に「BGMなし」または「音量ゼロ」の状態で動画をエクスポートします。その後、Instagramのリール作成画面やストーリーズ編集画面で「音楽を追加」ボタンをタップし、公式の楽曲ライブラリから好きな曲を選択します。
この方法の最大のメリットは、Instagramが公式に提供している音楽を使うため、著作権のクリアランス(権利処理)が完全に保証されている点です。さらに、Instagram内で音楽を追加すると、その楽曲情報がメタデータとして動画に紐付けられ、視聴者が「この曲を使う」ボタンを押して同じ音楽で投稿できるようになります。これは楽曲の発見性(ディスカバラビリティ)を高め、あなたの投稿がトレンドに乗りやすくなる効果もあります。
ただし、Instagramミュージックには地域制限があり、国によって利用できる楽曲の範囲が異なります。日本国内では主要な邦楽・洋楽がカバーされていますが、マイナーなアーティストやインディーズ楽曲は見つからないこともあります。また、ビジネスアカウントに切り替えている場合、一部の楽曲が使えなくなる制限もあるため、個人アカウントとビジネスアカウントを使い分ける戦略も検討してください。
もう一つの注意点として、Instagramミュージックで追加した音楽は、動画をダウンロードして他のプラットフォームに転載する際には音が消えてしまいます。Instagram側のDRM(デジタル著作権管理)技術によって、音楽部分だけが保護されているためです。複数のSNSに同じ動画を投稿したい場合は、各プラットフォームごとに音楽を追加するワークフローが必要になります。
著作権トラブルを完全回避！Insta360編集での安全な音楽の入れ方
著作権の心配をせずに思い通りの動画を作るためには、音楽の調達方法と編集ワークフローを見直す必要があります。Insta360アプリには「マイミュージック」という機能があり、自分で用意した音源を読み込んで使うことができます。この機能を活用すれば、著作権フリーの楽曲や自分で作曲した音楽を自由に使えます。
また、PC版の「Insta360 Studio」を使う場合は、プロの編集ソフトと組み合わせることで、より高度な音楽編集が可能になります。ここからは、それぞれの環境に応じた具体的な操作手順と、つまずきやすいポイントの解決策をお伝えしていきます。
上記のような動画のやり方だと結構綺麗に音も取れるとともに、著作権なんてそもそも気にする必要はありません。よってバイクは既存の音楽や音楽自体を作る、それ以外にもこういうやり方もあると心得ていただければと思います。
アプリの「マイミュージック(ローカル)」機能で外部音源を追加する手順
Insta360アプリの編集画面で「音楽」アイコンをタップすると、アプリ内蔵の楽曲リストの他に「マイミュージック」というタブが表示されます。これは、スマートフォン本体のストレージに保存されている音楽ファイルをインポートする機能です。事前にiPhoneの「ファイル」アプリやAndroidの「ダウンロード」フォルダに、著作権フリーの音楽ファイル(MP3、AAC、WAVなど)を保存しておく必要があります。
【手順】
- 著作権フリー音楽サイトから楽曲をスマートフォンにダウンロード
- Insta360アプリの編集画面で「音楽」→「マイミュージック」→「+追加」をタップ
- スマートフォン内のフォルダ一覧から音楽ファイルを選択
- ファイルがライブラリに追加され、次回以降も使用可能に
【ポイント】
- 一度追加した楽曲は繰り返し使えるため、よく使う音源は事前にライブラリ登録しておくと効率的
- iPhoneの場合:SafariでダウンロードしたファイルはiCloud Driveの「ダウンロード」フォルダに格納
- Androidの場合:「Files」や「マイファイル」アプリから確認
音楽を動画に適用したら、再生位置の調整が可能です。楽曲の開始位置をスライダーで調整し、サビの部分から始めたり、イントロをスキップしたりできます。また、フェードイン・フェードアウトの設定も可能で、音楽が自然に始まり、自然に終わるようにできます。
音量調整スライダーで、元動画の環境音とBGMのバランスを整えることも重要です。特にVlog系の動画では、風の音や会話が音楽に埋もれないよう、BGMの音量を30~50%程度に抑えるのがセオリーです。
iPhone・Android端末内の曲がインポートできない時の原因と対処法
「マイミュージックに曲が表示されない」「インポートしようとするとエラーが出る」といったトラブルは珍しくありません。最も多い原因は、iTunesやApple Musicからダウンロードした楽曲がDRM保護されているケースです。DRM(Digital Rights Management)とは、デジタルコンテンツの不正コピーを防ぐための技術的保護手段で、Apple MusicやSpotifyのストリーミング楽曲には必ずDRMが付いています。
DRM保護された楽曲は、購読している音楽配信サービスのアプリ内でしか再生できず、他のアプリにインポートすることはできません。これはInsta360アプリの制限ではなく、音楽業界全体で採用されているコピーガード技術です。したがって、Apple MusicやSpotifyから「ダウンロード」した楽曲は、実際にはスマートフォンに楽曲ファイルとして保存されているわけではなく、暗号化された状態で一時的にキャッシュされているに過ぎません。
| 区分 | iPhoneユーザー | Androidユーザー |
|---|---|---|
| 使用できる音源 | – iTunes Storeで購入したDRMフリーの楽曲 – Amazon Musicで購入したMP3ファイル – CDから取り込んだ音源 – 著作権フリー音楽サイトからダウンロードしたファイル | – Amazon Musicで購入したMP3ファイル – CDから取り込んだ音源 – 著作権フリー音楽サイトからダウンロードしたファイル |
| 使用できない音源 | – Apple Musicでストリーミング再生される曲（DRM保護あり） | – YouTube Music Premium（旧Google Play Musicからの移行を含む）の楽曲（DRM保護あり） |
| 対応ファイル形式 | MP3、M4A (AAC)、WAV | MP3、M4A (AAC)、WAV |
| 保存先の注意点 | ミュージックアプリまたはファイルアプリ内に保存された音源を使用 | 端末内部ストレージ・SDカードによって挙動が異なる場合あり |
| 権限に関する注意点 | 特になし（標準設定で読み込み可能） | Insta360アプリがSDカードへのアクセス権限を持たないと読み込めない場合あり。「設定」→「ストレージ」から権限を確認 |
もう一つの原因として、ファイル名に特殊文字(絵文字、全角記号など)が含まれていると、正常に読み込めない場合があります。ファイル名は半角英数字のみに変更し、スペースもアンダースコア(_)に置き換えると安定します。また、極端に長いファイル名も避けるべきです。これらの対処を行っても解決しない場合は、一度アプリを再起動する、スマートフォン本体を再起動する、といった基本的なトラブルシューティングも試してみてください。
PC版「Insta360 Studio」で編集する場合の音楽と著作権の注意点
StudioにはBGM機能がない?Premiere Pro等で音付けする推奨ワークフロー
Insta360 Studioで映像の処理が完了したら、ProRes、H.264、H.265といった形式で動画ファイルを書き出します。
Adobeは勉強する必要があるほど、機能が膨大で使いこなすのが難しい編集ツールです。しかし音楽を付けたりエフェクトを付けたり、それを動画にして書き出しても商用利用は基本的に大丈夫です。使う音楽自体に著作権がOKであれば、何も問題はないはずなので今からPremiere Proに慣れておくのも悪くないと思います。
無料で使える「YouTubeオーディオライブラリ」と「DOVA-SYNDROME」
| 項目 | YouTubeオーディオライブラリ | DOVA-SYNDROME |
|---|---|---|
| 提供元 | Google公式（YouTube Studio内） | 日本の個人クリエイター集団 |
| 楽曲数 | 1,000曲以上（ジャンル・ムード検索可能） | 15,000曲以上（邦楽テイスト豊富） |
| 特徴・強み | YouTube前提の高品質BGM。Content ID誤検出ゼロ | 和風・ピアノ・アコースティックなど日本向け。改変OK |
| 商用利用 | 可能（YouTube収益化完全対応） | 可能（基本クレジット不要） |
| クレジット表記 | 一部楽曲で必須（詳細ページに明記） | 基本不要（楽曲ごとの個別規約確認要） |
| 改変 | 可能 | 可能（作曲者規約による） |
| 他SNS使用 | 可能（クレジット条件確認） | 可能（一部「YouTube以外は連絡要」の楽曲あり） |
| アクセス方法 | YouTube Studio → オーディオライブラリ | Webサイト（dova-s.jp）で検索・DL |
| 向いている人 | 初心者・YouTube特化クリエイター。安心重視 | 邦楽好き・多SNS展開。日本感性重視 |
- クレジット表記: 必須の場合あり（例: 「楽曲名 by アーティスト名」）。動画説明欄やエンドロールに記載し、サイトごとの表記例を確認。
- 利用規約変更: 予告なく商用利用不可に変更の可能性あり。定期チェック必須で、過去動画も対象になる場合がある。
- 著作権フリー≠ロイヤリティフリー: ロイヤリティフリーは使用料なしだが著作権は保持。転売や偽装発表は禁止。
- 他プラットフォーム使用: YouTube専用サイトはInstagram/TikTokで別途許諾が必要。英語規約は翻訳して確認。
上記の点にだけ注意してください。
クオリティと安全性を両立するなら有料サイト(Artlist・Epidemic Sound)
- 包括的ライセンス: YouTube/Instagram/TikTok/企業サイトなど全プラットフォーム対応。一つの契約でどこでも使用可能。
- マルチプラットフォーム効率化: 一度編集した動画を全SNSにそのままアップ。差し替え作業不要で時間短縮。
- 企業案件対応: クライアントのウェブ/広告使用OK。無料サイトの制限を回避しビジネスチャンス拡大。
- 高音質: プロスタジオ録音・ミックス。映画/CM級で「プロっぽい」印象を与える。
- 税務メリット: ライセンス料を経費計上。所得税・住民税節税。青色申告対象。
個人的には商用利用をする方が、圧倒的に収益化を狙うならおススメです。私だったら最初からやり方を覚えて、有料のものを選ぶかなと思います。
【Q&A】Insta360の音楽と著作権に関するよくある質問
YouTubeやそれ以外のSNSの場合
- YouTube Studioで編集したい動画を選択
- 左メニューの「エディタ」タブを開く
- 「オーディオ」セクションから「音声を削除」または「音楽を追加」を選択
- 必要に応じてYouTubeオーディオライブラリから新しい音楽を追加
注意点として、この操作では環境音や会話も消える場合があります。理想は、元動画を手元で音楽を差し替えて再アップロードする方法ですが、再生回数がリセットされる点に注意してください。それ以外のSNSについても表にしてまとめておいたので、一読してみてください。
撮影時の基本: BGMなし（音声のみ設定）。環境音録音で編集自由度向上。ウィンドノイズリダクション注意、外部マイク推奨。
著作権の申し立てを受けた場合は、「収益を権利者に分配」する選択肢もあります。削除せず動画を公開し続けられますが、自分の収益は得られません。このような感じになるので気を付けて音楽を付けて、動画を楽しんでください。
まとめ
今回のまとめとしては基本的にどのプラットフォームにも課金するべし、というのがまとめです。
雑なまとめになりますが、著作権の問題を不安がらずにInsta360の動画を使うには、これが一番いい方法だと思います。使っている動画などにも問題があると言われたり、音楽でも言われたりすることがあるので気を付けて使ってください。
音楽を付けなくてもしっかり再生数を伸ばせている動画もあるので、是非ご自身で動画の研究なども怠らないようにしてください。今日の記事が音楽を動画に付ける際の、著作権の不安を少しでも払しょくできていたら幸いです。
